部下を持たれてるみなさん。ホウレンソウが苦手な部下がいて、上司として冷や汗をかいたり背筋が凍ったりした経験はありませんか。
こういった部下は2タイプにわけられます。
- 悪気はないが報告するタイミングやきっかけがさっぱり分かっていない
- 上司をナメていて報告の必要がないと考えている
今回紹介する方法は、どちらのタイプにも有効です。
それでは詳しく解説します。
細かいことを言われるとやる気をなくす
報告をしない部下というのは、言い換えると、
上司に状況を把握してもらわなくてもまったく困らない
そんな仕事の仕方をしていたり、そういった仕事の環境を与えられている状況にあります。
つまり、上司にとやかく言われなくても、だいたいのことは自分でやっていけるし、
というか、上司より自分の方がその仕事について何倍もスキルが上だ、あるいは上司にこの仕事は理解できない、と考えています。
そんなことを常々考えている部下にたいして、
上司が意味のわからない指示や命令をしたり、偉そうな態度でこと細かく聞いてきたりしてくるとどうなるでしょうか。
部下は一瞬でヤル気をなくしてしまいます。
この現象は心理学用語で「アンダーマイニング効果」と呼ばれるもので、
いままで自発的に熱心に取り組んでいたのに、他者からの要因(上からの圧力など)がきっかけで「自己決定感」や「有能感」が低下し、急に意欲が低下してしまう現象をさします。
やる気をキープさせて、報告をさせるように仕向ける方法
それではどうすればよいのでしょうか。
ここで有効的な心理的効果が「エンハンシング効果」と呼ばれるものです。
エンハンシング効果とは、もともと自発的なヤル気(内発的達成動機)が強い人や、
ヤル気が高いわけではないが自発的にやらざるを得ない環境にある人には、
他者からの称賛(言語的報酬)がもっとも効くという法則です。
たとえばこんな風に
上司
「Aくん、いつもいい成績をあげてくれてありがとう。今期、ウチの部署の予算達成ができたのも、君が難しい課題に挑戦してくれたおかげだよ。
ところで、どんな方法であの課題をクリアし予算達成に結びつけられたのか、そのへんの秘訣や苦労したところをぜひきかせてくれないだろうか」
部下
「うーん、秘訣や苦労したところですか・・・。まあいろいろとありますが。べつにたいしたことじゃないですよ。」
上司
「ぜひ、それを勉強させて欲しいんだ。私のためにいろいろ教えてくれないかな」
部下
「まあいいですよ。えーと、どこから説明するといいかな。まずですね・・・」
この段階で、部下は、得意満面の顔で上司に丁寧に説明を始めます。
このときの部下は、きっとすぐに気づかないと思いますが、
これ、立派な報告になってるんですよね。
まとめ
上司というのは、ときにピエロです。いや、エブリデイがピエロなのかもしれません。
部下からみたら多くの上司は無能に見えるのでしょう。
なぜなら、職場で激しく人をディスることが許されているのは、目上の人に対してのみだからです。
その反対やったらパワハラですから許されていません。
直接聞こえさえしなければ、部下は上司をどんなにディスったっていいんです。
だけど、部下をもつ上司のみなさん。本当は無能なんかじゃないですよね。
だってほら、気持ちではもう、ピエロの仮面を手に取ろうとしてるじゃありませんか。
あなたのその努力、きっと報われますように。